カテゴリーソート
-ラテンアメリカ・オセアニア-
科目名
ラテンアメリカ・オセアニア
テーマ
ブラジルの農業の現状と課題(アグテック関係の動きを中心に)
活動期間
2019年7月3日(水)
担当教員
竹下 幸治郎 国際学部准教授
講師
本郷 豊 氏(元JICA客員専門員)
活動内容
この授業の目的は、ラテンアメリカおよびオセアニア諸国の概要把握を目的とし、経済指標などで日本との比較を行いつつ、主要国について、各国ごとに政治、歴史、文化などの現状含めて総合的に学びます。
今回の授業は、元JICA(国際協力機構)の本郷豊氏をゲストスピーカーにお迎えし、ブラジルの農業の発展と未来についてご講演いただきました。
世界最大の農産物純輸出国であるブラジルは、ジャングルのイメージは強いが国土の中央部は日本の面積の5.5倍に相当する地域がセラードと呼ばれる半砂漠の不毛地帯でした。その原因となっている土壌を改良して大豆栽培を行う巨大プロジェクトに係わった本郷氏に、日本とブラジルの両政府が連携して進めたセラード開発の現場での苦労話から、その意義と成果について語って頂きました。
具体的には、プロジェクトの成功により北半球の端境期(はざかいき)に大豆生産と輸出が可能となり、世界的な大豆価格の安定に貢献したこと。また、副産物である大豆カスを飼料として活用することで、国内に鶏肉や淡水魚の養殖などの新たな産業が勃興したことを紹介されました。
また、アグテック(農業分野の新興企業)と呼ばれる民間企業と農家の連携が、ブラジル農業をさらに発展させるだろうと解説され、ユニークな技術を有する日本企業のブラジルにおける展開余地についても言及されました。
聴講した学生からの質問をもとに「今後の世界の食糧供給と食品ロスを無くす取組との関係」についても、現場を踏まえた本郷氏の見立ても披露されました。
※アグテック:IT関連の新技術を導入して農業(agriculture)に新たな可能性を切り開く取り組みや、そのような新機軸を実現する技術やサービスなどのこと。