拓殖大学「教育ルネサンス」改革改善への取組


01-3 教育・研究 - 各学部における実践的な職業教育の充実

2019年度 実践的な職業教育の充実

-中国ビジネス概論-

2e21ee5d54999fd103651914cb23b1c0100dab46.png

9fb1a607a10328e8956362651079fc2659df196f.png

  • 科目名

    中国ビジネス概論

  • テーマ

    「仕事で中国語を活かすには......」

  • 活動期間

    2019年5月27日

  • 担当教員

    関口 美幸 外国語学部教授

  • 講師

    高橋 和久 氏(伊藤忠オートモービル株式会社)

  • 活動内容

    「中国ビジネス概論」は、将来的に中国語を活かした仕事を考えている中国語学科「中国語ビジネスコース」の科目です。学生の中国語学習に対するモチベーションを上げるために様々な取り組みをしています。
    5月27日の授業では、1991年3月に拓殖大学中国語学科を卒業したOBで、現在は伊藤忠オートモービル(株)で建設機械部品の輸入業務に携わっている高橋和久氏にご自身の経験を語ってもらいました。

【体験談講義】
・学生時代、河南開封留学時代の中国語の勉強について
高橋氏の名前である「和久」は中国語の発音で「héjiǔ(フージウ)」と言います。また、お酒を飲む意味の「喝酒」も「hējiǔ(フージウ)」で声調が一部違うだけです。
そのようなことから、中国の方々と名刺交換する時には自ら「高橋喝酒(お酒を飲む)ではないですからね」と冗談を言うそうです。機転を利かせたジョークで名前を憶えてもらい、宴会では間違いなく白酒(50度くらいの蒸留酒)を飲まされるとのこと。中国ビジネスでは飲む機会も多く、とことん飲むことで相手との距離が近づき、商売も上手く行くそうです。

・一人旅の効用
中国31行政区の内、22行政区制覇し、いつかは残り9行政区も制覇したいと語る高橋氏。なぜ、一人旅がいいのでしょうか?
一人旅では頼る人もなく何でも自分でやらなければならず、学生時代には、汽車の中でカップラーメンを食べるために箸を買いに行ったところ、「箸」の中国語を知らずジェスチャーで何人かに説明してやっと買うことができたそうです。直ぐに辞書で調べたところ、「箸」は「筷子(クワイズ)」だと分かりました。
こうして覚えた言葉は決して忘れないとのこと。ただし、カップラーメンを開けてみたら、中に折り畳みのフォークが入っていたそうです。
その他にも、愉快でありながらもためになる経験談から、一つ一つ苦労した経験が自分の中国語を進歩させてくれたとのことです。
「ただ、今は時代が違うし、一人旅をする時は事前に情報を収集し、安全面に注意してください」と最後に付け加えることも忘れない高橋氏でした。

・日中をつなぐ仕事(クレーム処理を例として)
日本のお客様から、中国の輸入製品に対してクレーム提起されることがあります。中国のメーカーは、不具合やクレーム費用も認めないところがあり、根気よく交渉しなければならず、その場合には先ずは不具合を認めさせることから始め、不具合を認めたらクレーム費用の交渉を行います。
問題解決には時間がかかりますが、最後までねばり強く交渉し、最終的に中国メーカーが認めた時はとても達成感があるそうです。
日本と中国を繋ぐ仕事に携わり、日本人の考え方も中国人の考え方も学んだからこそできることがあります。相手と同じ目線で、相手の状況も考えて対話をすることが大事とのことです。

【受講者の感想】
・分からない単語があってうまくコミュニケーションがとれなくても、あきらめずに積極的に行動していきたいと思った。
・在学中に興味のあることに打ち込むべきだというお話を聞いて、学生のうちにやりたいことを目いっぱいやる。そして、自分の強みにしたいと思った。

【教員総括】
日常的に中国語を使って仕事をしている高橋氏ゆえ、体験談が具体的で学生の心を引き付けていました。質疑応答も普段にもまして活発でした。
中国語学科のOBであるため、学生は自分もがんばれば高橋氏のようになることができるという良い目標を示すことができたと思います。
目標の一つである、「ビジネス中国語を学ぶ学生のモチベーション向上」を達成することができたと思います。

October 10, 2019 4:50 PM