拓殖大学「教育ルネサンス」改革改善への取組


01-3 教育・研究 - 各学部における実践的な職業教育の充実

実践的な職業教育の充実

-インフラ開発(応用)-

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  • 科目名

    インフラ開発(応用)

  • テーマ

    ODAのプロジェクトサイクルと環境社会配慮の必要性

  • 活動期間

    2018年10月25日

  • 担当教員

    徳永 達己

  • 講師

    黒木 浩則 氏(株式会社 オリエンタルコンサルタンツグローバル道路交通事業部道路計画部)

株式会社オリエンタルコンサルタンツグローバル道路交通事業部道路計画部の黒木浩則氏は、 開発コンサルタントとして主に ODA (政府開発援助)のインフラ建設の環境社会配慮分野において多数の業務経験がある。
社会インフラの整備に伴い生じる環境社会影響というプロジェクト・リスクを最小化し、事前にリスクヘッジする事をしつつ、 日本の高品質で環境にやさしいインフラを提供することが近年求められている。同氏よりODAプロジェクトのサイクルと環境影響評価のプロセスを説明し、そのうち環境影響評価の最も重要なスコーピング作業をグループワーク及びグループディスカッションを通じて演習を行うこととした。

主な内容は以下の通りである。
Ⅰ.ODA及び環境社会配慮に関する概要説明
1.ODAにおけるプロジェクトサイクルと環境社会配慮
ODAの社会インフラ整備(例:道路、橋梁、港湾、鉄道、空港、建築関連)にあたっては、上位計画(マスタープランMP)、 実施可能性調査(フィージビリティ調査FS)、設計、 施工管理、維持管理というプロジェクトサイクルとなっており、いずれのフェーズにおいても開発コンサルタントは業務を行っている事を説明した。

2. 環境社会配慮の必要性とその内容
我が国が途上国への無償・有償資金協力によりインフラを整備する場合、必ずJICA環境社会配慮ガイドラインの適用が義務づけられる。相手国の環境法令やガイドラインに加え一定水準以上の質の確保を行うために同ガイドラインの実施が求められる。環境社会配慮の一つである、環境影響評価(アセスメント)の実施は、スクリーニング、スコーピング、 調査、予測、評価という一連の流れがあるが、最も重要なプロセスは、スコーピングである。 スコーピングでは、J1CAガイドラインの場合、30程度の環境社会項目を扱っており、 プロジェクトの活動要員とマトリクスでクロスチェックすることで影響のあるなしや影響の程度を想定する。

Ⅱ.グループディスカッション
Ⅰ.におけるロジックを理解しつつ、環境アセスメントにおいてもっとも重要なスコーピングに関する演習を下記の条件で行った。
・プロジェクト実施地域:ミャンマー国 カイン州
・事業内容:既存道路改良によるバイパス整備
・周辺土地利用:主に水田
・課題:想定される主な影響とその緩和策についてグループ内で議論し、各3分程度の発表を行うこと

28名を4グループに分割し、各グループ代表者により発表が行われた。
主に用地取得に関する影響が大きく、その対策として被影響者との十分な議論と合意形成がその対策として必要であることが、結論としてまとめられた。

March 25, 2019 10:17 AM