拓殖大学「教育ルネサンス」改革改善への取組


01-3 教育・研究 - 各学部における実践的な職業教育の充実

実践的な職業教育の充実

ーCSR論ー

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  • 科目名

    CSR論

  • テーマ

    CSR再考と世界の共通言語SDGsを活かした経営

  • 活動期間

    2018年5月9日

  • 担当教員

    潜道 文子

  • 講師

    笹谷 秀光 氏(株式会社 伊藤園 顧問)

文部科学省青少年の体験活動推進企業表彰審査委員であり、学会の役員などもされ、CSR(企業の社会的責任)やSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)の実務にも詳しい、株式会社伊藤園顧問の笹谷秀光氏を「CSR論」の授業にお招きし、以下のようなご講演をして頂いた。
現在、企業は社会へ配慮なくしては、社会からの支援が得られない状況にあり、多くの企業がCSRに基づいた経営を標榜している。そのような中で、経営学者のM. ポーターは、CSV(Creating Shared Value:共通価値の創造)を提唱し、企業が経済的価値と社会的価値を同時に創造する意義を主張している。
このCSRやCSVの考え方は、日本でいえば、江戸時代の近江商人の経営哲学である「三方よし」の考え方とほぼ同一である。しかし、日本では伝統的に、善いことをしてもそれを社会に知らせることをよしとしない「陰徳善事」という風潮がある。一方、欧米発のCSRやCSVでは、むしろ善いことをしたら発信するべきとしており、その意味では、日本でも「発信型(開示型)三方よし」が実践されるべきである。
また、国連加盟193か国が2016年~2030年の15年間で達成するために掲げた17の目標であるSDGsは、17のマークで発信するという意味で、「発信型三方よし」のツールのひとつともいえる。さらに、これらの課題解決については、企業だけでなく、地域や大学でも活動が行われている。「平成29年度第1回ジャパンSDGsアワード」では、北海道の下川町や北九州市、金沢工業大学や岡山大学等が受賞した。また、企業では、伊藤園、サラヤ、住友化学、吉本興業などが受賞した。
SDGsは、今後、特定の国々だけでなく全世界へ広がり、また、企業だけでなく、政府や自治体、NPOなどにも益々広がることが予想され、世界共通の目標として大きな意味を持つことも考えられる。その意味で、企業がSDGsに取り組む意義は非常に大きいと言える。

August 3, 2018 2:45 PM