拓殖大学「教育ルネサンス」改革改善への取組


01-2 教育・研究 - 各学部におけるゼミナール教育の充実と強化

ゼミナール教育の充実と強化

-フィリピン・セブ市における参加型社会
開発実習-

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  • 学部・団体名

    国際学部国際学科

  • 内容

    フィリピン・セブ市における参加型社会開発実習

  • 実施期間

    2017年8月29日~9月8日

  • 参加人数

    5人

新田目ゼミでは、8月29日(火)から9月8日(金)の10泊11日、予定通りフィリピンのセブ島でゼミ合宿を実施した。新田目ゼミの海外合宿の目的は、海外で働く日本人の実態にふれるとともに、開発問題の現場を視察し、実際にNGO活動の現場に参加することにより、国際学部のディプロマポリシーの重要な要素であるコミュニケーション力・実践力と問題解決能力を涵養することである。
本年度は、リコーイメージング株式会社(カメラ製造)、United Re-Growth, Inc.(社会人向け英会話学校、日本食レストラン経営), Nexseed,Inc. (英会話学校・IT留学), Framgia(ソフトウエア開発)、(株)グーン(廃棄物リサイクル事業)、 QQ English(英会話学校)の6社を訪問し、代表者もしくは担当者から、海外・フィリピンで働くことの楽しさや、起業・経営上の苦労についてお話を伺った。なお、この中で、(株)グーンのリサイクル事業はJICA/環境庁支援事業である。
以上の企業の事業目的は違っているが、担当者の方々が一様に海外生活を楽しんでいること、そして、チャンスは海外に、特にアジアにあること、また、現地貢献意識が大切である点を強調していた点については、学生も強く感銘を受けた様子であった。
海外就業の現場を拝見したのち、NGO団体Daredemo Heroとともに、ボランティア活動に参加した。Daredemo Heroは2013年にセブ市で設立され、貧困児童・家族に対する教育・生活支援と、災害被災地の復興支援活動の分野で、活発な活動を行っている団体である。今回の活動は、団体コーディネーターの方から概略の指示はあったものの、自主的に計画をたて実施するというスタイルで進行した。
まず、市内各地を案内していただき、貧富の格差について、各地でご説明いただいた。その後、Daredemo Hero奨学金受給者(小学生、約10人)に対する日本語授業を行った。そのために、まず教材づくりから始まり、どのように教えるか、夜遅くまでディスカッションと準備を行った。若者らしく、スマホを巧みに駆使した新しい授業方法を導入した点は大いに評価される。
次に、近隣の貧困地域で、炊き出しとスポーツなどのアクティビティを実施した。ここでは、初めてのフィリピン料理チャンポラード(おかゆにチョコレートと砂糖を混ぜてつくるフィリピンの伝統的軽食)に挑戦した。ここでは、事前に集めた使用済み文房具の配布も行った。
さらに、近隣の高校に出向き、約30人の生徒に対して模擬授業を行った。ここでは、社会科の一時間を用いて、家族、恋愛観、将来の夢、社会参加意識等について、フィリピンと日本の比較を行った。フィリピンの学校では、一般に、先生が一方的にしゃべる一斉授業が多いので、グループに分け、ディスカッションを行い、それを模造紙に図解して発表することを学んでもらうことが目的である。ただし、指示がうまく伝わらないことも多く、「本当のコミュニケーション」の難しさが実感できたのではないかと思う。なお、ここでも文房具の寄付を行った。また、参加費用の中から購入したインクジェット・プリンターを寄贈した。
最終日には、セブを離れ(約二時間)、サトウキビ・プランテーションを訪問し、サトウキビの栽培方法や農地経営など、熱帯農業の現場について、農園経営者の方からいろいろ教えていただいた。
以上、今回のゼミ合宿では、単なる異文化体験、ゼミ生の親睦を越え、今後のキャリアの参考になることをたくさん学ぶことができた。また、実際のボランティア活動に参加することにより、実践力と問題解決能力を身につけることができたように思う。この経験は後期のゼミ活動の中で発展させるとともに、様々な機会の中で報告していきたい。

April 3, 2018 11:56 AM