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チームシューカツ、山本教授インタビュー「新入生向け経済を知ろう!」

取材活動を通じて、人間力を高め、就職に強い学生を育成するチームシューカツの取材プロジェクト。今回は政経学部・山本教授へのインタビュー記事を掲載!

1.『○○学』と『○○論』
 「経済学科には、国際経済学、ミクロ経済学など多くの科目がありますが、その中で教授が専門としている日本経済論をわかりやすく教えてください(記者)」とお聞きしたところ、「まず、学生の方がもしかしたら知らないということを一つお教えします(教授)」というところから取材が始まった。「『経済学』というのと『経済論』というのは違います。私がお教えしている科目の一つは、『開発経済学』ですが、開発経済論というのはないのです。『○○学』と『○○論』はちょっと違うのです。考えたことないでしょ?」と楽しく語る。「『○○学』というのは、理論体系として確立されたもの。つまり、この理論とこの理論がこういう風に違っていて、こんな風につながっていて、こういう歴史を持っている、といったような大きな集合体で体系が確立されるものが、『○○学』。一方で『○○論』とは、そこまで理論の積み重ねが体系化されていないもの。つまり、多くの意見が大体の塊を示しているということ。たとえば、日本経済について○○って言っている人もいますよね?反対意見としてこんな意見もありますよね?といった理論的な蓄積になっていないものは『○○論』なのです」とわかりやすく教えていただいた。さらに、「理論というと難しく感じるかもしれないが、ここでいう理論とは、仮説に近い理論。英語で書くとhypothesisということ。囲碁や将棋で言う定石みたいなもの、つまり、パターン化されているものである。」と補足説明をいただいた。つまり、簡単に言うと、専門の研究者は「日本経済がこういうもの、こういう歴史がある。」という意見を多くもっていて、これらたくさんの意見が集まってくると『○○論』となり、『○○論』の理論が体系化されたものが『○○学』となるのです。商学部でも、中小企業論という科目などがありますが中小企業学とはいわないのと、同じなのです。

2.日本経済の面白いところ
経済なんてどこの国も似たようなものだ、なんて思っていませんか?そんなわけがありません。教授は「アメリカと比較したとき、日本経済には大きな特徴がある。それは、日本のほうが経済の歴史が長いだけではなく、日本は老舗企業大国なのです」と語る。そこで1つ質問です。あなたは、日本には創業100年以上の企業がいくつあるか知っていますか?200社?5,000社?10,000社?... 正解は33,069社です('2016年 東京商工リサーチ調べ)。創業1,000年を超える企業も、日本には7社も存在します。日本経済の歴史はこれほどまでに長いのです。教授は「日本経済は歴史が長い分、地域や国の経済状態により、さまざまなビジネスがひっきりなしに生まれ、今日ではひとつのビジネスモデルでは説明できないほどビジネスモデルのパターンが増加してきている。そういった意味で、日本は非常に多様性に富んでいる国」とおっしゃっていました。日本経済は、多様性に富んでいて常に変わり続けています。だからこそ、日本経済論は奥深くて面白い学問分野だと思いませんか?

3.大事なことは「なぜだろう」と思うこと
「学生にとって経済学が難しいな、つまんないな、と感じるのは覚えなければいけないと思うことが多いからだと思います。大学1・2年の頃、経済学が苦手で勉強するのはいいやと思って政治学を勉強した」と語る。だが、なぜまた経済学を勉強しようと思ったのかというと、「例えば、どうしてある国は豊かになれないのか、世の中に貧しい国と豊かな国があるけど何が違うのか、貧しい国を豊かにするにはどうしたらいいのか、と視点を変えて入ってみたら経済学がわかるようになった。経済学の教科書を覚えようとか、練習問題を早く解けるようにすることよりも重要なのは、日頃の生活で自分が『なぜだろう』と思ったことを大事にすること」と語る。物事を見た時、見た人は何らかの反応をすると思います。その反応を大事にすることで自分の考えが深まり、経済やその他の分野に興味が沸き、より身近に感じられるようになるでしょう。

4.これから経済を学び始める人へ
経済は、「民」という言葉に由来している。「世を(おさ)め、民を(すく)う」という意味である。すなわち、経済学とはお金を儲ける学問ではなく、世界・地域をより豊かにする学問なのです。そのためには何をしたらいいのだろうか、という答えのない問題について考え抜いていかなくてはいけません。その途中や結果として、誰かを助けることになるかもしれないし、誰かに助けられるかもしれません。誰かに感謝したり、されたりすることもあるでしょう。ここに経済の面白さ、本質があるのかもしれません。あなたは誰からありがとうと言われたいですか??あるいは、誰にありがとうと言いたいですか??皆さんも経済を学んでみてはいかがでしょうか。

<中小企業を育てるエコノミックガーデニング>

1.エコノミックガーデニングってなんだろう?
「エコノミックガーデニング」をあえて和訳すると「経済菜園」。地域経済を「庭園」、地元の中小企業を「植物」に例えて、地域経済という土壌で地元の中小企業を大切に育てる取り組み、地域経済を活発化する取り組みのことです。教授は『地元企業が成長するビジネス環境をつくる』政策と述べていました。

2.エコノミックガーデンニングができるきっかけって?
今後、地方経済が過疎化や人口減少により、問題が深刻化していく可能性があります。これまでは、地方経済の振興には工場誘致が中心でしたが、そこで経営がうまくいかないとしてそこにあった工場が移される事態が起こりました。そこの工場で働いていた地域の人たちの職がなくなり、その地域から離れることを余儀なくされた問題でありました。その状況を回避するためにも、その工場誘致だけに頼るのではなく、地域全体が、地元の中小企業全体が活気を取り戻すには企業経営力を上げることが大切だと改め、できたのがこの『エコノミックガーデニング』なのです。

3.エコノミックガーデニングの行われている地域は?
現在、大阪府、徳島県、千葉県、静岡県の都市で実施されており、今後行われる予定の地域として、愛媛県、三重県、富山県の都市が挙げられます。

4.まとめ
その地域の企業を増やすためには、まずは地域を活気づけることが大切で、そこには主軸として地域の経済的な基礎力を大きく膨らませて工場誘致に頼らない取り組みが大切なのです。
【取材記者】金谷一希、石井さやか、西村佳子、岩井史佳

April 22, 2017 3:15 PM